旭児童ホーム

旭児童ホームは、児童福祉法第41条の規定による定員40名の『児童養護施設』です。児童は健全な家庭において養育されることが望ましいのですが、その家庭にも様々な問題を抱えることによって、児童を養育していくことが困難になる場合も起こってきます。

 

『児童養護施設』は、そうした状態になっている家庭から児童を預かり、その養育を中心に考えながら、必要な支援を行っている施設です。

 

旭児童ホームでは、次の事に重点を置いています。

一つは、施設の分散地域化をはかり、児童の生活環境を向上させることです。児童の居住ないし、生活環境をできるだけ地域の一般家庭と変わらないものにするため、近隣地域に分園を設けて、小規模な施設養護を実践しています。大人数の児童をひとつの大きな施設で養育するのではなく、少人数を小さな分園で養育することによって、より地域に密着した家庭的な生活環境をつくることができると考えています。また自立して社会に出て行くまで養育される必要のある児童にとって、特定の大人との一貫した生活体験は、特に重要だと考えています。

二つ目は、機能の総合化を図ることです。地域の子育て支援としての相談や援助活動、子育ての補完としてのショートステイ(短期預かり)・トワイライトステイ(夜間一時預かり)、旭児童ホームから家庭復帰した児童や、社会に出て行った児童のフォローやアフターケアなどのため、『児童家庭支援センター・おおいけ』を中心に機能の総合化を図っています。

 三つ目は、中学を卒業した時点でケアを打ち切らないことです。この年齢で社会的に自立させようとしても、それはもともと無理であると言わざるを得ません。私たちはこれまで、公立私立を問わず、中卒児童全員を高校等に進学させる努力をつづけてきました。必要が認められる児童については、さらに専門学校・短大・大学への進学にも対応しています。児童養護施設から育っていく子供たちが、社会に出て挫折しない為にも、こうした配慮は欠かせないことです。